ドッグフード

ドッグフードのグレインフリーとグルテンフリーの違いとは?

      
グレインフリー ドッグフード
       

ドッグフードに「グレインフリー」と表示されているのを目にしたことがあると思います。現在、各ドッグフードメーカーで競いあって販売しています。

ではなぜグレインフリーを販売しているのでしょうか?デメリットや効果・メリットはどうなっているのでしょうか。グルテンフリーとはどう違うのか?などについて詳しく解説しています。

グレインフリーとグルテンフリー

グレインとは、英語では「grain」という表記します。日本語に訳すと「穀物」です。

すでにご存じでしょうが、穀物とは、小麦、米、大麦、コーン(とうもろこし)、ライ麦、稗(ヒエ)や粟(アワ)などです。いわゆる炭水化物です。

フリーとは?

フリーとは、「含んでいない」という意味です。

つまり、穀物を含んでいないものを「グレインフリー」と呼んでいます。ドッグフードでグレインフリーとなっていれば小麦や大麦、トウモロコシなどが入っていないドッグフード・・と解釈してください。

穀物の種類

  1. 小麦:パン、パスタ、ケーキなどの製造に広く使用されています。
  2. :世界の主要な食糧源であり、多くの国々で主食として消費されています。
  3. コーン(トウモロコシ):食品だけでなく、動物の飼料やバイオ燃料の製造にも用いられます。
  4. 大麦:ビール製造や食品、飼料に利用されます。
  5. ライ麦:パンや他の製品の製造に使用されます。
  6. オーツ麦:朝食のシリアルやオートミールの原料です。
  7. 稗(ヒエ):稗は稲と同じイネ科に属し、小さな粒を持つ一年草です。 主にアジアの一部地域で食用や飼料として栽培され、伝統的な食品の材料として使用されます。
  8. 粟(アワ):粟もイネ科に属し、小粒で栄養価が高い穀物です。食用としての歴史が非常に古く、特に日本では古代から重要な食糧源とされてきました。

穀物の特徴と利点

  • 栄養価:多くの穀物はビタミン、ミネラル、食物繊維、必須アミノ酸を豊富に含んでいます。
  • 多用途:穀物は食品、飼料、産業原料として幅広く利用されています。
  • 保管と輸送:適切な条件下では長期間保管可能で、輸送も比較的容易です。

グルテンフリーとは?

「グルテンフリー(Gluten-Free)」とは、製品がグルテン(主に小麦、大麦、ライ麦に含まれるタンパク質)を含まないことを意味します。グルテンは特定の穀物にしか含まれていないため、グルテンフリー製品でも他の種類の穀物は含まれている場合があります。

簡単に言えば、グレインフリーは「穀物不使用」。グルテンフリーは「特定の穀物タンパク質不使用」という違いがあります。犬の健康状態やアレルギーに応じて、適切な製品を選ぶことが重要です。どちらの選択肢も獣医師との相談が推奨されます。

グレインフリーのメリットは4つ

グレインフリーのメリット

この項目では、グレインフリーにどのような効果・メリットが見込めるのか、探っていきます。

1.アレルギー防止

犬や猫の中にはアレルギーを発症する子もいます。いわゆる穀物アレルギーです。それで、「穀物」に対してアレルギー反応をしているならばグレインを抜きましょう・・・ということでアレルギーの原因をなるべく減らせるのが、メリットのひとつと言われています。

犬の穀物アレルギーとは?

犬の穀物アレルギーは、犬が特定の穀物に含まれるタンパク質に対してアレルギー反応を示す状態です。このアレルギーは、犬の体が穀物の成分に対して異物として認識し、過剰な免疫反応を起こすことで発生します。ただし、穀物アレルギーは犬の食物アレルギー全体の中で比較的珍しい方であり、より一般的なのは動物性タンパク質に対するアレルギーです。

2.消化トラブル防止

犬や猫によってはグレインは消化トラブルを起こすことがあります。その不安をなくせます。これが2つ目のメリットと言われています。

しかしながら、穀物をそのままの状態で与えるわけではありません。ドッグフードに配合されている穀物は熱を加えてアルファ化されていますので100%問題なく吸収されたという研究があるようです。

3.肥満防止

続いてのメリットは、肥満防止です。穀物は炭水化物です。炭水化物は糖質が多いため摂りすぎるとそれが蓄えられて脂肪になります。そして糖質は血糖値を急激にあげ、過剰摂取は太ります。そのためグレインフリーにすれば炭水化物の割合が少ない分、急激な血糖値上昇を抑えられ、肥満防止につなげられると言われています。

グレインフリードッグフードと穀物使用のドッグフードにおいて炭水化物の割合がどのくらい違いがあるのか調べてみました。

穀物使用の成犬用ドッグフードと比較して、一般的にグレインフリーのほうが炭水化物の含有量は少ないようですが、そうではないメーカの商品もあります。

nutro ニュートロ シュプレモのドッグフードにおいては、穀物使用のドッグフードの炭水化物36.5%、グレインフリーの炭水化物割合は29%となっています。またモグワンドッグフードにおいては、グレインフリーでも38.5%となっています。

また、HAPPY DOGというメーカーのドッグフードにおいては、グレインフリーのドッグフードでも炭水化物の割合が40%を超えているものもありました。結論としては、一概にグレインフリーだからといって炭水化物の割合が少ないとは言えないようです。

4.野生時代の自然な食事に近づけることができる

4つ目の効果・メリット。グレインフリーは、野生の祖先に近い肉食の食事に近づけることができる。これが果たしてメリットかどうかわかりませんが、このように宣伝しているフードメーカーもあります。

このメリットには疑問符がつきます。

なぜかといえば、犬はオオカミが祖先といっても数万年も前のことです。家畜化されたのも考古学上で確認される最古は1万4000年前なんて言われています。特に日本犬は、人と一緒に米や麦、稗、粟などを食べてきたわけです。ですから今さらそれ以前い遡って肉食の食事に近づけることが正しいとは思えません。

グレインフリーのデメリット4つ

それでは、グレインフリードッグフードのデメリット(欠点)について見ていきましょう。

1.タンパク質を摂りすぎる

まず、グレインフリードッグフードは、穀物不使用となりますので、カロリーが不足します。そのため「肉類」と「豆類」を多く使用してカロリーを補っています。肉と豆はタンパク質です。そのため「高タンパク」な食事になります。

高タンパクの食事は、腎臓や肝臓に負担をかけます。結果として、若いうちは大丈夫でも高年齢化するにつれ病気につながる恐れがあると言われています。高タンパクドッグフードの記事はこちらをご覧ください

2.豆類を摂りすぎる

デメリットの2つ目。ドッグフードをグレインフリーとすることにより、食物繊維が不足します。すなわち、善玉菌のエサが不足しますので、腸内環境を整える効果が不足します。また、食物繊維は便を柔らかくする効果がありますが、その効果も薄れます。

そのため、グレインフリードッグフードは、食物繊維の不足をエンドウ豆などの豆類で補っています。それが、かえって豆類を摂りすぎるデメリットとなります。

豆類摂りすぎの症状

豆類は一般的に犬にとって消化しにくい食品です。過剰に摂取するとガス、膨満感、下痢、または嘔吐を引き起こす可能性があります。また、一部の犬は豆類に対してアレルギーを持っているため、過剰摂取はアレルギー反応を引き起こす可能性があります。

3.価格が高くなる

市販されているグレインフリーのドッグフードと穀物使用を比較してみました。

商品名用量価格
Nutro ニュートロ シュプレモ・穀物使用3㎏3,800円
Nutro ニュートロ シュプレモ・グレインフリー2㎏4,124円
穀物使用とグレインフリーの価格比較表

このように、グレインフリーのドッグフードのほうが一般的に価格は高い傾向にあります。

4.疾病のリスク

2019年時点において、拡張型心筋症(DCM)が指摘されたことがありました。

DCM は犬の心筋の病気であり、心臓肥大を引き起こします。心臓とその部屋が拡張すると、心臓がポンプを送り出すことが困難になり、心臓弁から漏れが生じ、胸部や腹部に体液が蓄積することがあります(うっ血性心不全)。

引用:FDA:food&drug
拡張型心筋症(DCM)の指摘

2019年6月27日、「米食品医薬品局(FDA) は、マメ科植物(エンドウ豆、レンズ豆など)の含有量が多いグレインフリーの食餌と、イヌ科およびネコ科動物の致死性心疾患である拡張型心筋症(DCM)が関連している可能性があるとの調査結果を発表しました」

FDA に提出された犬の DCM の報告数

引用:FDA:food&drug

2014年1月1日~2018年11月30日2018年12月1日~2019年4月30日2019年5月1日~2020年7月31日2020年8月1日~2022年11月1日
329190608255
FDA に提出された犬の DCM の報告数

現時点でのマメ科植物(エンドウ豆、レンズ豆など)の危険性

しかし、現状(2023年07月26日)の時点では、次のようにグレインフリーのドッグフードに使われているマメ科植物(エンドウ豆、レンズ豆など)に危険という証拠はないとFDAは発表しています。

非遺伝性DCM(拡張型心筋症)の報告と関連するペットフードには共通点がありますか?
非遺伝性DCMの報告と関連する食事のほとんどには、「豆類」とも呼ばれるマメ科植物の種子成分(例:エンドウ豆、レンズ豆など)が成分リストの上位に含まれています(ただし、大豆も豆類ですが、この成分との関連は見られませんでした)。これには「グレインフリー(無穀物)」および「穀物を含む配合」も含まれます。

豆類、特にマメ科の成分は、ペットフードに長らく使用されており、それ自体が危険であると示す証拠はありません。しかし、CVM(獣医学センター)への報告データの分析によれば、マメ科の成分は「グレインフリー(無穀物)」のペットフードで、穀物を含むペットフードの配合よりも大きな割合で使用されています。FDA(アメリカ食品医薬品局)は、ペットフードメーカーに市販のペットフードと非遺伝性DCMとの関係をさらに調査するためにペットフードの成分配合を提供するよう依頼しました。
FDAは、これらの食事と非遺伝性DCMのケースとの具体的な関連性をまだ把握しておらず、遺伝、基礎疾患、および/またはその他の要因の役割を引き続き調査しています。

Questions & Answers: FDA’s Work on Potential Causes of Non-Hereditary DCM in Dogs

グレインフリーの成分

グレインフリーは穀物が含まれていません。そのため、そのままではカロリーや食物繊維などが不足します。それを他の原材料で補う必要ありますので、おのずと原材料に違いが生まれます。

同じドッグフードのメーカーで穀物使用のドッグフードとグレインフリーではどのような違いがあるのか比較してみました。

穀物使用のドッグフードとグレインフリーとの比較

ドッグフードの種類成長段階主な原材料保証成分値代謝エネルギー
①nutro ニュートロ シュプレモ 成犬用成犬用チキン(肉)、チキンミール、モロコシ、大麦、オーツ麦、玄米、鶏脂、タンパク加水分解物、ラムミール、サーモンミール、ビートパルプ、粗挽き米、亜麻仁、チアシード、ココナッツ、乾燥卵、タンパク質 24.0%以上、脂質 15.0%以上、粗繊維 4.0%以下、灰分 10.5%以下、水分 10.0%以下365kcal/100g
②nutro ニュートロ シュプレモ™ 草原のレシピ(グレインフリー成犬用チキン(肉)、チキンミール、エンドウマメ、ラムミール、乾燥ポテト、レンズマメ、鶏脂、ポテトでん粉、ニンジン、ヒヨコマメ、タンパク加水分解物、エンドウタンパク、亜麻仁タンパク質:30.0%以上 脂質:16.0%以上 粗繊維:4%以下 灰分:11%以下 水分:10.0%以下約365kcal/100g
穀物使用のドッグフードとグレインフリーの比較

ご覧のとおり、代謝エネルギーは同じです。タンパク質を比較してみますと、グレインフリーのほうは、高タンパクになっています。

表には炭水化物は出ていませんので、その違いを計算してみました。

①の穀物使用のドッグフードの炭水化物は、おおよそ36.5%、②のグレインフリーは、おおよそ29%です。グレインフリーのほうが炭水化物は、7.5%少ないことがわかります。炭水化物の計算についてはこちらの記事をご覧ください。

原材料の違いを見てください

通常のドッグフードには、穀物としてモロコシ、大麦、オーツ麦、玄米が配合されています。モロコシの説明については、下の説明をご覧ください。ちなみにモロコシを品質改良したのがトウモロコシです。対して、グレインフリーには、チキンミールに次いで3番目にエンドウ豆が入っています。

モロコシは、イネ科の一年草のC4植物・穀物。タカキビとも呼ぶ。外来語呼称にはコーリャン、ソルガム、ソルゴーがある。熱帯、亜熱帯の作物で乾燥に強く、イネ(稲)やコムギ(小麦)などが育たない地域でも成長する。

Wikipedia
モロコシ

グレインフリーの商品には、当然ながら穀物は含まていません。そのために、肉やエンドウ豆、乾燥ポテト、レンズマメでカロリーを補っています。タンパク質の成分値が高いのは肉や豆類を多くしているからです。ちなみに原材料の掲載順位は使用量の多い順に掲載するというルールがあります。

下の画像がエンドウ豆です。

エンドウ豆
エンドウ豆

下の画像がレンズマメです。

レンズマメ
レンズマメ

まとめ

「グレインフリー」とは、穀物を含まないペットフードのことを指します。グルテンフリーは「小麦、大麦、ライ麦など特定の穀物タンパク質不使用」です。

グレインフリーのメリットは、穀物アレルギーに対処できることや、肥満防止に役立つことなどが挙げられます。

一方、デメリットとしては、高タンパク質の食事になるため、腎臓や肝臓に負担がかかることがあります。栄養バランスの観点からは、通常のペットフードの方が適していると考えられます。

個人的には、穀物アレルギーがないのであれば、グレインフリーでなく通常のドッグフードの総合栄養食でいいと思ってます。あなたはどう考えますか?。

misato

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