ドッグフードの成分リストに「チキンミール」という文字が記載されているのをよく見かけませんか?また、「乾燥チキン」や「ミートミール」、「フィッシュミール」といった文字も目にしませんか?
これらの言葉は、人の食品としては馴染みが薄いため、多くの飼い主がこれらの成分に対して疑問に思っていることと思います。
そこで、チキンミールとは何か?チキンとどう違うのか?ミートミールとは?家禽(かきん)ミールとは?について、それぞれがペットにとって安全なのかどうかについて、詳しく調査してみました。詳細を以下にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
チキンミールとは?
![チキンミールとは?](https://petfood-hub.com/wp-content/uploads/2024/05/チキンミールとは?.webp)
チキンミールの「ミール」とは「粉末」のことです。そのためチキンミールとは、ニワトリの特定の部位の原料を粉末にしたものをいいます。
ただし、国内で製造されたチキンミールとアメリカのチキンミールは違っていますので、この点について解説します。
国内のチキンミール
![](https://petfood-hub.com/wp-content/uploads/2024/05/国内のチキンミール.webp)
ニワトリの特定の部位を乾燥させた粉末といっても、日本のレンダリング工場で製造されたものにおいては、食用となる胸肉やモモ肉は使われていません。
基本的に、使用されている部位は、肉を取り除いた「骨や内臓、皮などの不可食部位」が使用されています。
具体的な製造法ですが、こちらは、骨や内臓、皮などの不可食部位(人が食べない部位)の水分を蒸発させます。さらにそこから骨油を抽出します。次に残った固形物を乾燥させます。さらにそれを粉砕させます。最後にフルイにかけてできた粉末がチキンミールです。
- ステップ1水分を蒸発させる
骨や内臓、皮などの不可食部位の水分を蒸発させる
- ステップ2骨油を抽出
水分を蒸発させたら骨油を抽出します
- ステップ3乾燥
骨油を抽出した固形物を乾燥させる
- ステップ4粉砕させる
固形物を粉砕します
- ステップ5フルイにかける
残った粉末=チキンミールが完成
このような部位を元に国内のチキンミールは作られています。ところが、アメリカで製造されているチキンミールは違いますので、次の項目はアメリカのチキンミールについて解説します。
アメリカのチキンミール
それではアメリカのAAFCO基準のチキンミールのガイドラインを見てみましょう。ガイドラインには次のように示されています。
チキンミールとは、羽、頭、足、内臓を除いた、鶏の屠体の一部または全体、またはそれらの組み合わせに由来する、骨を伴うかまたは伴わないに関係なく、清潔な肉と皮の組み合わせから得られる乾燥レンダリング製品
引用:https://www.thehonestkitchen.com/
![](https://petfood-hub.com/wp-content/uploads/2024/05/アメリカのチキンミール.webp)
いかがでしょうか。このように、国内のチキンミールとアメリカのチキンミールと比較してみると、ひとくちに「チキンミール」といっても、国内とアメリカのものでは違っているのです。
繰り返しになりますが、国内のレンダリング工場で製造したチキンミールは鶏肉を取り除いた骨や内臓、皮などの部分(不可食部分)を使用し、最終的に粉末にしたものをいいます。
一方でアメリカのAAFCO(アーフコ)のガイドラインでは、羽毛、頭、足、内臓を除いた鶏の一部または鶏全体から取った清潔な肉と皮を組み合わせて乾燥させたしたものをチキンミールと定義しています。
つまり、お気づきだとは思いますが、国産のチキンミールが使われているドッグフードとアメリカで製造されているチキンミールが使われているドッグフードでは品質が違っているということです。
チキンミールはどこで製造されているの?
チキンミールの製造は、レンダリング工場で行われています。レンダリング工場とは、鶏や牛や豚など動物たちのリサイクル工場のことをいいます。
チキンミールの実物画像
下の画像をご覧ください。左側に見えるのが、骨油1です。中央がフェザーミール2。右にあるのが「チキンミール」です。写真のように粉末になっているのが確認できます。チキンミールは、骨油(こつゆ)を抽出して残った固形物を粉末にしたものです。
引用:さしま加工食品加工協同組合
左:骨油 中央:フェザーミール 右:チキンミール
1:骨油(こつゆ)とは、動物の骨から抽出される油脂の一種です。主に豚骨や鶏骨から作られることが多く、料理や医薬品、化粧品などに使用されます。骨油は特にアジア料理、特に中華料理や日本料理でよく使用されます。例えば、ラーメンのスープに深みを出すためや、炒め物、煮物に風味を加えるために使われることがあります。
2:フェザーミールとは、鶏の羽を加圧蒸製(3気圧・180度・3時間以上)し、乾燥させたもので肥料や家畜用の飼料原料として利用されています。
チキンミールのメリットとデメリット:愛犬に与えるべきか?
![チキンミールのメリットとデメリット](https://petfood-hub.com/wp-content/uploads/2024/05/チキンミールのメリットとデメリット.webp)
チキンミールのメリット
チキンミールには、主に5つのメリットがあります。
1. 高タンパク質
国内製造においてのチキンミールは、骨や内臓、皮などを乾燥・粉砕したものであり、タンパク質が非常に豊富です。しかしながら、高温で熱を加えているため、生肉のタンパク質とは違い変性していると考えられています。
タンパク質の変性とは、熱や酸、圧力などによってタンパク質の構造が変化して機能を失ってしまうことです。
2. 低水分
鶏肉が加工される過程で水分が取り除かれるため、チキンミールは低水分です。これにより保存性が高くなります。
3. 高エネルギー
低水分で高タンパク質なため、エネルギー密度が高いです。少量で高い栄養価があります。
4. 耐久性と保存性
乾燥しているため、保存性が高く、長期間保存が可能です。
5. 費用対効果
鶏肉そのものよりもコストが低い場合が多く、そのため多くのペットフードに使用されています。
チキンミールのデメリット
チキンミールは、ドッグフードによく使われる食材ですが、以下のデメリットがあります。
チキンアレルギー
チキンミールは、鶏肉アレルギーを持つ犬にとってはアレルゲンとなる場合があります。