「ビタミンDって、犬にとって大切な栄養素でしょ?」
その通り!でも、過剰摂取すると大変なことになるよ。
愛犬にこんな症状が出ていたら、要注意!
- ご飯、食べてくれない? 食欲不振は、ビタミンD摂りすぎのサインかも。
- 吐いちゃうこともあるの? 嘔吐も、症状の一つなんだ。
- 下痢が続いている… 下痢も、ビタミンDの過剰が原因の可能性があるんだよ。
- いつもよりお水を飲む量が増えた? 多飲多尿は、腎臓に負担がかかっているサインかも。
- トイレが近くなった? 頻尿も、ビタミンD過剰症の症状の一つなんだ。
それでは、ビタミンDの過剰摂取による症状や適量(推奨量)、過剰摂取の原因などについてさらに具体的に見てみましょう!
犬がビタミンDを過剰摂取したときの症状
![犬のビタミンDの過剰摂取による主な症状について](https://petfood-hub.com/wp-content/uploads/2024/05/犬のビタミンDの過剰摂取による症状.webp)
愛犬にビタミンDをあげるのは大切だけど、過剰摂取すると大変なことになる。
「えー、どうなるの?どんな症状が出るの?」
主な症状は次の通りです。
- 嘔吐:胃がムカムカして、吐いちゃうことがある。
- 食欲減退:ご飯が食べられなくなって、ぐったりしちゃうこともある。
- 口渇:喉が渇いて、水をたくさん飲みたくなる。
- 多飲多尿:排尿量が増えて、トイレが近くなることがある。
- 高血圧:血圧が高くなって、心臓に負担がかかる。
- 神経障害:手足が痺れたり、歩きにくくなったりすることがある。
- 体重減少:体重が減って、ガリガリになっちゃうこともある。
- よだれの増加:よだれがダラダラ流れて、困っちゃうこともある。
- 思考力低下:頭がボーっとして、何をしても集中できてない。
- 血中カルシウム濃度の上昇(高カルシウム血症):高カルシウム血症は特に危険で、腎臓、心臓、血管、骨などに影響を与えます。
これらの症状は、ほんの一例です。愛犬の様子に少しでも異変を感じたら、すぐに獣医師に相談しましょう。
:それでは、犬はどのようなものからビタミンDを過剰摂取してしまうのでしょうか?
犬のビタミンDの適量
犬のビタミンDの適量(推奨量)が不明では、過剰摂取と言われてもよくわかりませんよね。
そこで、犬のビタミンDの適量(推奨量)についてお伝えします。
推奨摂取量
犬のビタミンDの栄養基準は、「NRC」や「AAFCO」「FEDIAF」があります。
NRC飼養標準とは、世界で最も権威のある飼養標準の一つとされており、犬だけでなく、乳牛、肉牛、ブタ、家禽、実験動物など、幅広い種類の家畜について、年齢、性別、体重、生産レベルなどに応じて必要な栄養素の種類と量を詳細に示したものです。
一方の「AAFCO」「FEDIAF」は、ペットフードに含まれる栄養成分の最小値と最大値を示しているものです。
NRC飼養標準(2006)
代謝エネルギー1,000kcalあたり
- 推奨摂取量: 136 IU(3.4µg)
- 安全上限: 800 IU(20µg)
AAFCO養分基準(2016)
AAFCO(2016)のビタミンDの最小値と最大値は下記の通りです。代謝エネルギー1,000kcalあたり
- 最小値:125 IU(3.125㎍)
- 最大値:750 IU(18.75 μg)
これらの基準は、適切なビタミンDの摂取量を確保し、健康を維持するためのものです。特にAAFCOの基準はペットフードの栄養要件として広く使用されていますが、個々の犬の健康状態や特別な栄養ニーズに基づいて調整することが重要です。ビタミンDの過剰摂取は有害であるため、獣医師の指導の下で適切な量を与えることが推奨されます。
因みに㎍(マイクログラム)とは、『㎎』の1/1000の量です。つまり、3.4㎍は、0.0034mgです。また、『IU(アイユー)』から『μg』へは『IU×0.025』で計算します。
また、代謝エネルギーとは、食物に含まれる総エネルギー(Gross Energy, GE)から、消化されずに排出されるエネルギー(糞中のエネルギー)および尿中に失われるエネルギーを差し引いて算出されます。計算式は以下の通りです。
ME=GE−(糞中のエネルギー+尿中のエネルギー)
犬のビタミンDの摂取については、1日単位よりも週単位で考えることが一般的に受け入れられています。NRCやAAFCOが推奨するビタミンDの摂取量を週単位で計算し、過剰とならないように調整しましょう。
次のページは、犬のビタミンD過剰摂取の原因についてです。