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犬はビタミンDの摂りすぎは危険!適量と不足の症状とは?

      
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犬が高濃度のビタミンDを過剰摂取することは、たいへん危険です。犬の腎不全または死亡につながる恐れがあるからです。

犬のビタミンDの摂取について、必要量のガイドラインがあります。その理由として、ビタミンDは、骨の健康、筋肉の機能、免疫系のサポートなど、犬の体の多くの重要な機能に影響を与えているからです。

この記事では、犬のビタミンDの摂りすぎの原因や症状、予防と治療について、ビタミンDの適切な必要量、ビタミンDを豊富に含む食べ物、犬は日光浴でビタミンDを合成することはできないについて詳しく解説します。

適切なビタミンDの必要量を理解し、健康的な食事プランの作成にお役立てください。

犬はビタミンDを摂りすぎるとどうなるの?

ビタミンDは、健康な骨の維持や免疫系の正常な機能に必要な重要な栄養素ですが、過剰に摂取すると健康上のリスクを引き起こすことがあります。

特に長期間にわたって大量に摂取した場合に発生することがあります。この項目では、ビタミンDの過剰摂取によって起こる可能性のある症状について詳しく説明します。

ビタミンDの過剰摂取による症状

ビタミンDの過剰摂取によって引き起こされる一般的な症状には以下のようなものがあります。

ビタミンDを過剰摂取した犬は、高カルシウム血症が起こります。そのため、嘔吐、食欲減退、口渇、多飲多尿、高血圧、神経障害、体重減少、よだれの増加、思考力低下等の症状を示すことがあります。

参考文献:農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課

それでは、犬はどのようなものからビタミンDを過剰に摂取してしまうのでしょうか。

犬がビタミンDを摂りすぎる原因

犬がビタミンDを過剰摂取してしまう原因は、通常、適切な量を超えるサプリメントの摂取があります。また、ビタミンDを多量に含んでいるドッグフードや食品を摂取することが原因としてあります。

特に、サプリメントには高濃度のビタミンDが含まれているものがあるため、推奨される量を超えて摂取することは避けるべきです。

予防と治療

ビタミンDの過剰摂取を避けるためには、サプリメントの使用に際しては常に医師の指導を受けることが重要です。また、ビタミンDを多量に含む食品の摂取量にも注意が必要です。

ビタミンDの過剰摂取の症状が現れた場合には、医師に相談し、適切な治療を受けることが必要です。

犬のビタミンDの摂りすぎによる健康被害

5年ほど前のことですが、ドッグフードによるビタミンDの過剰摂取によってペットの健康被害の申告があったという情報です。

下記の情報は、平成30年12月に出された農林水産省から一般社団法人ペットフード協会会長へあてた事務連絡を要約した一部です。

アメリカからの情報提供です。

ビタミンDの過剰摂取によってペットの健康被害の報告を受けました。そこでFDAは、ドライタイプのドッグフードを検査してみたところ、犬の腎不全または死亡につながるおそれのある濃度のビタミンDが検出された製品がありました。それに伴い自主回収が行われました。その対象製品は別紙のとおりです。

「別紙」

販売者:Natural Life Pet Products

製品名サイズUPC賞味期限
Chicken & Potato Dry Dog Food17.5
lb.
0-12344-08175-12019 年 12 月4日~
2020 年8月 10 日
ビタミンD過剰配合のため自主回収製品

引用:ビタミンD過剰の可能性のあるペットフードについて(注意喚起)

この件は、国内で製造されたドッグフードではありませんが、ドッグフードは輸入されている製品が多いです。そのためその製品を購入しないとも限りません。ときどき、自主回収されるドッグフードもありますので気をましょう。FDA 規制対象製品の特定のリコールに関するプレスリリースはこちらからご覧いただけます(英語)。

犬のビタミンD不足の症状

犬がビタミンDを過剰摂取した症状ではなく、ビタミンD不足による典型的な症状には以下のようなものがあります。

  • 成長の遅れ
  • 関節痛
  • 筋肉痛
  • 骨の変形や弱化
  • 歯の発達障害
  • 筋力の低下
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 骨折のリスク増加

ビタミンD不足は、骨軟化症や低カルシウム血症があることがあります。これらはいずれも深刻な健康問題であり、治療が必要です。

犬のビタミンDの必要量の基準とは?

犬のビタミンDの推奨される必要量としては、NRC飼養標準とAAFCO(全米飼料検査官協会)の基準があります。

NRC基準のビタミンDの推奨摂取量(必要量)

NRC飼養標準において、犬のビタミンDの推奨摂取量(必要量)は、3.4 µg/1,000 kcalで、安全上限は20 µg/1,000 kcalとされています。

Q
1µg(マイクログラム)とは、
A

1µg(マイクログラム)は100万分の1gです。

AAFCO基準のビタミンDの推奨摂取量(必要量)

AAFCO(全米飼料検査官協会)においては、3.125 µg/1,000 kcal、最大値が18.75 µg/1,000 kcalです。ドッグフード1kgあたり、最低値500IU、最大値3,000IUと幅広くなっています。

マイクログラムに換算しますと、ドッグフード1kgあたり最低値12.5㎍、最大値75㎍です。

体重5kgの成犬のビタミンDの必要量

NRC飼養標準で計算しますと、例えば5kgの成犬の場合は、1日あたりの必要カロリーが約370~420kcalです。ですので、ビタミンDの推奨摂取量(必要量)は1.25~1.428㎍です。安全上限値として7.4~8.4㎍です。

8kgの成犬にとってビタミンDの1日あたりの必要量は約1.81μg(マイクログラム)。

10kgの成犬にとっては約2.14μg(マイクログラム)となります。これらの計算は、各犬の基礎代謝率(BMR)と維持エネルギー要求量(MER)を基にしています。

犬が食べても大丈夫なビタミンDを含む食べ物

ビタミンDが摂れるサーモン

犬はビタミンD不足もいけませんので、摂取できる主だった食べ物について取り上げます。食品100gあたりのビタミンD量をリストアップすると以下のようになります。

ビタミンDを多く含んでいる上位の食べものは魚類が占めていますが、これらの食品は犬にとって安全かつ適量に与える必要があります。一部の食品は特定の状況下でのみ与えるべきですし、いくつかは獣医師の監督のもとでのみ与えるべきです。

順位食べ物ビタミンD含有量 (100gあたり)
1しらす干し(半乾燥品)61.0㎍
2くろまぐろ養殖脂身焼き20.7㎍
3あゆ養殖・焼き17.0㎍
4いわし(缶詰)6.0μg
5マグロ缶詰フレーク5.0μg
6さば (缶詰)5.0μg
72.5μg
8牛肉リブロース2.2μg
9チーズ (カマンベール)0.2μg
10ゆで椎茸(しいたけ)0.4㎍
ソース元:日本食品標準成分表

この表に記載されている数値は一般的なガイドラインであり、実際の含有量は製品や調理方法によって異なります。特に、野生の魚と養殖魚ではビタミンDの含有量に違いがあります。

犬のそれぞれの食品に関する注意点

犬の食事にこれらの食品を取り入れる際は、獣医師の指導を受け、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。犬にとって適切なビタミンDの量は、その健康状態、サイズ、年齢、活動レベルによって異なります。

この表に記載されている食品の中で、犬にとって特に注意が必要なものがいくつかあります。以下にそれぞれの食品に関する注意点を挙げます:

  1. しらす干し:しらすは100gあたり6.6gの塩分が含まれているので、塩抜きをしてから与えることが重要です。
  2. いわしマグロ (缶詰): 塩分が高いことが多いので、食塩不使用または低塩のものを選び、適量を与えることが重要です。
  3. あゆ:あゆは生ではなく、加熱して骨を外してから与えることをおすすめします。干物や塩で加工されているものは避けましょう。
  4. サバ (缶詰): マグロ同様、塩分が高い可能性があるため、食塩不使用または低塩のものを選ぶことが重要です。
  5. 卵黄: 生の卵黄はサルモネラ菌のリスクがあるため、十分に調理してから与えることが重要です。
  6. マグロ缶詰フレーク:無塩でノンオイルや水煮がおすすめです。
  7. 牛肉: 細菌や寄生虫などが含まれている可能性がありますので、加熱してから、適量を与えることが重要です。
  8. チーズ:人間用は塩分が多いので、塩分が少ない犬用のチーズがおすすめです。
  9. シイタケ:犬にシイタケは与えても大丈夫な食品ですが、生は避けて、加熱したものを与えてください。また食物繊維が豊富なため少量与えることをおすすめします。

いずれの場合も、新しい食品を犬の食事に導入する際は、獣医師と相談することが最善です。犬によってはアレルギーや特定の食品への不耐性がある可能性があります。

犬は日光浴をしてもビタミンDが生成されません

日光浴をしている犬

人間の場合、太陽光線により皮膚でビタミンD前駆体という物質が体内でビタミンDに変わり、肝臓に蓄えられます。

ところが、「犬は日光浴を通じてビタミンDを合成することはできない」という事実に関する複数の情報源があります。これらの情報源は、犬と他の動物の間のビタミンD合成の生物学的違いについて詳しく説明しています。

  1. Doggysaurus.com によると、犬は日光をビタミンDに変換する能力があるものの、人間や他の多くの哺乳類ほど効率的ではありません。犬のビタミンDの大部分は食事から摂取されるべきであり、彼らは主に肉食動物であり、肉から大部分のビタミンDを吸収するよう進化してきました​​。
  2. The National Center for Biotechnology Information (NCBI) によると、犬と猫は、7-デヒドロコレステロール-Δ7-レダクターゼ酵素の高い活性により、日光曝露を通じて皮膚でビタミンD3を合成することができません。この酵素は7-デヒドロコレステロールをコレステロールに変換するため、皮膚内の7-デヒドロコレステロール濃度が大幅に低下します​​。
  3. Frontiers in Veterinary Science は、犬は日光に晒された際に皮膚でビタミンDを合成することができないため、ビタミンDの摂取には食事からの摂取に依存していると述べています​​。
  4. The Animal Medical Center of New York によると、人間では日光が皮膚に作用し、ビタミンDの前駆体を生成しますが、犬と猫の皮膚は日光を使用してビタミンDの前駆体を合成する能力が欠如しています​​。
  5. Wiley Online Library に掲載された研究では、羊、牛、馬、豚、ラット、人間などの他の哺乳類とは異なり、犬と猫は日光曝露を通じて皮膚でビタミンDを合成することができないとされています。したがって、これらの種はビタミンDの食事摂取に依存しています​​。

これらの情報源から、犬は人間のように日光浴を通じてビタミンDを合成することはできないという結論が導かれます。犬のビタミンDの必要量は主に食事からの摂取によって満たされます。

犬のビタミンD不足の症状

犬のビタミンD不足による典型的な症状には以下のようなものがあります。

  • 成長の遅れ
  • 関節痛
  • 筋肉痛
  • 骨の変形や弱化
  • 歯の発達障害
  • 筋力の低下
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 骨折のリスク増加

ビタミンD不足は、骨軟化症や低カルシウム血症があることがあります。これらはいずれも深刻な健康問題であり、治療が必要です。

まとめ

犬のビタミンDの必要量として、NRC飼養標準において、犬のビタミンDの推奨摂取量は、3.4µg/1,000kcalで、安全上限は20µg/1,000kcalとされています。

ビタミンDを補うにあたり、人間は日光浴によりビタミンDが生成されますが、犬にはそれがないため、フードから摂る必要があります。

ビタミンDは健康維持に重要な栄養素ですが、過剰摂取はさまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。

サプリメントの使用や食事計画には慎重を期すことが重要であり、症状が現れた場合には速やかに医師の診断を受けることが必要です。適切な量のビタミンDを摂取することで、その健康上の利点を享受しつつ、リスクを最小限に抑えることができます。

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